【水彩紙の水張り】簡単・楽チンに水張りする方法

技術的なこと

水彩画を描いていて、誰でも一度は経験があるであろう紙がうねうねべこべこと波打ってヨレヨレになってしまうあれ。。

紙がうねうねすると一気に素人感が出てしまうというか、見栄えも悪くなってしまって何だか凄くもったいないですよね。
描いた絵を飾ろうにも、歪んでしまって額縁にきれいに収まらなかったり。

私が子どもの頃は、水張りすると紙がヨレないと教わったことがなかったように思います。なので、大人になって自分で調べて水張りという言葉を知りました。

同じように、大人になってから「これから自己流で水彩画を始めてみよう!」という方は、水張りの作業を知らない方も多いのではないでしょうか?

こちらの記事ではその水張りのやり方についてご紹介したいと思います。

スケッチブックがボコボコに!水彩画の「水張り」とは?

水張りとは絵を描き始める前に行う、紙をヨレさせないために行う準備の作業のことです。

紙には、繊維の間に水が入って濡れると伸び、乾くと元に戻るという性質があります。
そのため、なにもせず乾いた状態のまま着色をしてしまうと、絵具の水で濡れたところが乾いた後に縮んでボコボコになってしまうのです。

「水張り」とは、逆にその性質を利用して先に紙を水で濡らし、強制的に固定して繊維を引っ張れば、乾いてもそのままの真っ直ぐ伸びた状態がキープできるという仕組みです。

絵を描き始める時はすぐにでも紙に直接描きたくなってしまうと思うのですが、このちょっとした一手間をかけ準備をしておくことで、絵の仕上がりが変わってくるのでとても大事な作業です。

水張りは板なしでもできる?必要な道具

水張りはいろいろと用意するものがあるので一つずつ紹介します。

画用紙、水彩紙などの紙

紙は画用紙でも水彩紙でもいいですが、紙の厚みには気をつけましょう。
価格は少し高くなりますが、たくさん重ね塗りをしたりぼかし表現をする時は厚めの300gなどを使用すると安心です。

目の荒さや紙の色味・素材などたくさん種類があるので画材屋さんでじっくり選ぶことをお勧めします。

いい紙を使うと描き心地や仕上がりの出来栄えが格段に上がりますよ。

木製パネルかベニヤ板

こういった専用のパネルが販売されています。

厚みも大きさも色々とあるので、普段描くサイズに合わせて用意してください。

また木製パネルがない場合はベニヤ板でも代用が可能です。
板に厚みがあり、歪んでいないものを選びましょう。

水張りテープ

切手のように、水で濡らしたら接着できるタイプのテープです。

粘着力がしっかりとしているので綺麗に紙を伸ばすことができます。

湿気がつくと巻いたままテープがくっついてしまうので、靴を買った際に入っているようなシリカゲルという乾燥剤と一緒に密閉できる袋に入れるなど、保存には気を付けましょう。

ハケ

水を紙に塗って馴染ませるために必要なハケ。
大きくて水を含みやすいものがおすすめです。

 その他必要なもの

あとは身近にあるようなもので揃います。

タオルまたはキッチンペーパー(綺麗なもの)
ハサミ(テープを切るのに使います)
カッター(水張り完了後に板から剥がす際に使用)
水入れ(お皿でも綺麗なものであれば何でもOKです)
ドライヤー(急ぎの場合はドライヤーで乾かしたりもします)

少し道具が必要になりますが、やることは至ってシンプルで簡単な作業になりますので、画材用の専用のものを用意されるといいかと思います◎

水張りのやり方!

それでは実際の水張りのやり方を説明します。

①水張りテープを切る

まずは木製パネルの上に用紙を起き、紙の四辺に張るテープを前持って切っておきます。

それぞれ上と横の辺の長さから両端1cm〜2cmは長めに取っておきましょう

②紙を濡らす

次に紙を濡らします。

紙を裏返し、たっぷりと水を染み込ませたハケを縦横まんべんなく全体に塗りましょう。

そのまま数分放置し、紙に水分をじっくりと染み込ませてください。
よくみてみると少し膨らんでいるので、ふっくらしたなと何となく感じられれば水が染み込んだ合図です。

③水張りテープを貼る

用紙に水が染み込んだら、紙を表に返して切っておいた水張りテープを貼ります。

貼る前の注意なのですが、必ず上から貼ったら次は下。
右横から貼ったら左横、で貼ってください。
L字にテープを貼ってしまうとしっかりと空気が抜けず失敗してしまうことがあります。

上か下どちらかから貼るのがやりやすいと思います。

水張りテープの貼り方は、テープの接着面に筆で水をつけて紙と板に貼り付けます。

まず紙の方だけにテープを貼ってから板にも貼るといいと思います。
接着面は爪やペンの上側などで擦って空気が入らないようにしましょう。

上を貼ったら、下側の紙だけにテープを貼ります。

少しタオルやキッチンペーパーなどで軽く優しく下に向かって擦りながら空気を抜くようにして、板にもテープを貼りましょう。

横も同様にします。

しっかりと空気を抜くことが大切なポイントです!

④じっくり乾かす

四辺全て貼り付けられたら、あとは乾かします。

数時間から一晩置くのが理想ですが、急ぎの場合はドライヤーで乾かしたりもします。

板に貼ったまま描き始め、完成したら剥がす

ちょっと勘違いしがちなことでもあるのですが、紙が乾いたら板に貼ったままで絵を描きましょう。
そうしないとせっかく水張りしても完成後にはボコボコになってしまいます。

絵が完成したら、カッターを使って手紙の封を切るときのように板に刃を沿わせながら、テープと紙が重なっている境目を切っていきます。

紙を傷つけないように丁寧に慎重に行ってくださいね。

切り終わりは、端に水張りテープがついているのが正解です。
水張りテープが貼ってある内側をくり抜くように切ってしまわないように注意してください。

もっと簡単で楽チンな水張り方法はある?

用意するものが多く、工程が少し面倒に感じてしまう方には、もっと楽に水張りできる方法もあります。

霧吹きで紙をまんべんなく濡らします。
びしょびしょになりすぎてまうことがあるので、その場合はティッシュやキッチンペーパーで軽く拭きましょう。

持っていればマスキングテープで水張りテープと同じ容量でパネルやベニヤ板に貼ります。

ただマスキングテープだと、そのまま着色する際に水に濡れて剥がれてきてしまう場合もあり得るので気を付けてくださいね。

水張りのいらない水彩紙はある?

水張りのいらない用紙に、「ブロックタイプ」といったものがあります。

ブロックタイプの水彩紙は紙を何枚か貸されてプレスし、さらに四辺を樹脂で固めて作られているため、水を含んでボコボコと波打ちしにくくなっています。

その分価格は高くなってしまいますし、必ずヨレないという確証があるわけではないのでご注意くださいね。

また、ケントボードのようにパネルのようになっているものだと水張りしないでも描けるのではないかと思いますが、たわみが出てきてしまうこともあります。

ケントボードだと紙質が違うのでまた水彩紙のような風合いは出ませんが、色々と画材屋さんで材料を見て好きな紙を選んでみてくださいね。

水彩画に必要なテクニックを効率よく学ぶためには?

小学生や中学生の頃からの知識のまま、いきなり水彩画を始めてみよう!と思っても知らないことが多かったり、調べないといけないことがたくさんあって面倒になってしまうこともありますよね。

せっかくのやる気が面倒臭いに変わってしまうのはもったいなくかなしいです。

今の時代インターネットで調べたり、youtubeなどで動画を見ることができますがプロの水彩画家が初心者の方に向けて、レッスン形式で水彩画の描き方やコツを教えてくれるDVD教材の方がわかりやすく、上達も早いと感じます。

◆自宅で好きな時間にプロの水彩画家から絵を学べる
◆絵具の色の混ぜ方・混色のタイミングから教えてもらえる
◆デッサンから着彩まで完成度の高い作品を描けるようになる

うまくいかなくて途中で挫折してしまう…なんてことがないように考えられているDVDなので、楽しく水彩画が学べます◎

初心者でも水彩画がいきなり上手くなる方法についてはこちら

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デッサンと水彩画、初心者はどちらから始めれば上達が早い?

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新しい趣味として水彩画をやってみたい!と思い立っても、絵を習ったことがない方は「デッサンと水彩画はどちらから始めればいい?」と迷ってしまうと思います。 そしてデッサンが苦手だと「自分には上手に水彩画を描くなんて無理かな〜」と思ってしますよ...

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絵を描く時っていろいろ準備するのがちょっと面倒なんですよね。

なので最近は私はもっぱらデジタルで描くことが多くなっています。

主にというか完全にiPadで描いてます。そもそも絵を描きたいがために買ったiPad。
PhotoshopやSAI、clipstudioなどいろいろツールがあるなかで、ほぼデジタルで絵を描いたことがなかった私は馴染みやすそうなiPadをApple Pencilが登場した時に購入しました。

水彩絵具を使うときは水をたくさん使うので、その分乾いた時に紙がヨレヨレになっちゃうことって小学生くらいの時にみんな経験してるではないでしょうか?
あれってすごく嫌なんですよね。でも小学生のころ水張りという一手間を加える必要がある、なんて教わらなかった気がしますが、私だけでしょうか?

大人になってから水張りという方法があると知りながらも、面倒だったので水張りなしで水彩画を描いてみたことがあります。
透明水彩と不透明水彩を使った絵を描きましたが、厚みが300gほどの水彩紙ではヨレることはありませんでした。

ですが、たまたま絵具を重ねる量が少なかったりしたことが要因になっていることも大いに考えられるので、水張りをするのが安全だと思います。

まず絵を描き始める前に紙を水に濡らして伸ばしておくと、後々水彩絵具で水をたくさん使っても縮んでヨレヨレにならないと。結構簡単なことですが、限られた期間で教えるなかでそこまで準備する時間がなかったのかも知れませんね。
子供だし、紙をみたらすぐに描きたくなってしまうものだとも思います。

デジタルはそういう、絵具を揃えたり、水を用意したり紙を買ったり、水張りをしたりといった事前の準備が一切ないところがいいところではありますよね。

よし!描くぞ!って思ったらそのままササッと事前準備なく描けてしまうので、やる気が損われないというメリットが大きいなと感じます。

自分でやりたくて描こうと思った絵でさえも、少し準備が面倒だったりすると少し気持ちが萎えてしまうずぼらな私です。

ですが、デジタルで描いているとまたアナログでも描きたくなってくるんですよね。
やはりちゃんと紙に直接描かれてある絵だと、デジタルで印刷されたものとは違う重みや趣、味があるというか。

少し手間をかけてでもやりたいと思えることがあるのは素敵だと思います。

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